おいらの おいらによる おいらのための
スペインひきこもり日記!!
改め 日本出稼ぎ日記

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ぽいっ
2007年06月03日 (日)
最近の生活は完全に受け身な姿勢となってしまっている気がしてならない。いや、気がするじゃなくって完全に受け身。だから映画ばかり見てるんだろう。「なんかやろうかな〜」って思って初めても、途中でぽいっ。ちょっと煮詰まるとぽいっ。こんなこと書いて「あ〜おいら堕落してるな〜」って思ってもぽいっ。

う〜〜いかん。

ただ、今週くらいには条件さえあえば石積みが見つかりそうなので、あと少しの辛抱だ。ん?「辛抱」っていっても、なにも耐えてないから「辛抱」は変か。ってことは、そっちも見事に受け身なわけか。

まぁ、受け身でもなんでも、環境変われば何でもいいや。

何もなかったけど一応記録。

昨夜は映画見終わったら朝だった。で、起きたら16時だった。プラプラ散歩して、本読んでたら、また朝だった。

う〜ん、見事に何も生み出してないな。やっぱここらで景気づけに24インチディスプレイを買ってしまうってもんか。そしたら、なんか生みそうな気がする。

でも、やっぱもうちょっと待とう・・・。

焼き肉Fiesta en お茶の水
2007年06月02日 (土)
先月末、おぐりの誕生日があり、Fiestaをやろうということになった。おぐりといったら焼き肉。ってことで、焼き肉Fiesta。珍しく長尾が幹事。実際はお嬢が動いていたようだが・・・。

前に長尾といった彼オススメの渋谷の焼き肉屋だと思っていたら、なぜかお茶の水に。最近判明したのだが、どうやらおいらは電車に乗って都心に行くのがキライらしい。正確には、「人混みの多い場所」に行くのが、とても億劫な体になってしまった。もちろん、気のおけない友達とのFiestaなので、そのFiesta自体には心から参加したいとおもっているのだが・・・つい「なぜ、電車に乗ってまで人が多い場所に行かねばならぬのだ・・・」と思ってしまうのだ。逆に電車、または車に乗って「人の少ない場所」に行くのは好きだったりする。これって東京近郊に住んでいる人間特有の憂鬱さなんだろうか?ちなみに「人混みの多い場所」に行くんでも、「歩いて」だったらなぜか問題なかったりする。自分でも不思議だ。

今回の会場となったのは、お茶の水の「マルタケ」という焼き肉屋。おいしいと評判のお店らしい。ただ、「おいしいと評判」な店で、七輪(炭火)ではなくって、ガスを使っているお店って初めて。実際、肉はどれも手頃な値段で、とてもおいしかったのだが、なんとな〜く炭火が良かった。もったいない気がする。

書き忘れたが、メンバーは長尾、お嬢、むん、おぐり、おいらの5人。5人中4人が就職活動中(または再就職活動したい)というダメ人間の集まり。ダメ人間ならではの話で盛り上がるも、土曜日は9時半くらいまでらしく、早々と店を追い出された。

2次会は賽の河原での石積み時代、たまに行った沖縄料理屋「かもん」(同じくお茶の水)。当然、白百合ばかり呑んでいた。

2次会では「メガネ」をテーマに話に花が咲く。映画より、酒より、メガネが重要という説を皆に説得するのにかなりの時間がかかった。2時間以上話したが、「話肇の頃よりは・・・」という程度で、最終的には理解できなかったようだ。あとは、女の子の「愚痴」と「相談」の違いについても盛り上がる。おかむんは「愚痴」聞きのエキスパートで、おぐり、お嬢からも定評があるのだが、相談はされたことはあまりないらしい。長尾は「愚痴」面倒くさいからイヤらしい。「相談」専門で、常に相手を支配できる「一言」を狙ってるらしい。コレには笑った。おいらは、愚痴と相談の区別が最近まではつかず、愚痴を話している人間以上に話をして、解決策授けてしまうタイプだったのだが、何がきっかけかはいくら考えても不明なのだが「愚痴」が聞けるようになった。しかも、「あ、これは愚痴だ・・・」、「あ、これは相談だ・・・」というのもわかってきた。両者は話しの手法が大きく違うことがわかったからだ。いまんところ、その識別方法は100%当たっている。だいぶ成長したという自負はあるのだが、問、電話は相変わらずキライなので、電話での愚痴にはまだ対応できない。酒呑みながらじゃないとダメらしい。

11時半頃解散。帰って映画を見る。

【La Flor De Mi Secreto】(私の秘密の花)

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【点数】3.7点(5点満点) 【スペイン語のわかりやすさ】6(最高10)

【制作年】1996年 【制作国】スペイン=フランス 【監督】ペドロ・アルモドバル 【公式サイト】なし
【キャスト】マリサ・パレデス、ファン・エチャノベ 、カルメン・エリアス、ロッシ・デ・パルマ、チェス・ランプレアヴェ



【感想】
アルモドバルの映画はそこそこ見ているのだが、未見だった映画。時期的にはKIKA(1993)とライブ・フレッシュ(1997)の間にあたる。オール・アバウト・マイ・マザー(1999)の2本前ということだ。ライブ・フレッシュもまだ見てないや。

映画の中には、かなりえぐい恋愛の終わり方・・・いうたら一方的なふられ方をしないと理解できないような映画が結構多くある。出来れば理解できるようになりたくはないが、理解できるようにならないと人としての深みがでないといわれてる・・・かなり重度のジレンマを有する経験だ。

この映画もそんな映画の一つ。なので、ストーリーとしてはありがちな話。とある有名作家が、自分はとても愛している夫との関係が終わってしまうが、経験豊富な母親の一言で、徐々に立ち直っていくみたいな感じ。もうちょっといろいろあるのだが。

おいらは自分がスペイン映画贔屓なのを理解しているし、スペイン映画だったらほぼ無条件に薦めてしまう恐れがあるのだが、この映画に関しては何がどう良かったのか説明が難しい。面白くないのではない。面白かったのだ。だけど、それを説明するには中学校の先生が生徒に「大人になればわかる」というような感じで「スペインで生活してみてよ。わかるから・・・」と、一番言いたくないアホな台詞を吐かなければいけなくなりそうなのだ。

この映画・・・なんかすべてがスペイン的なのだ。自分で書いてて「なんじゃそりゃ」といいたくなるが、見てるとどうしてもスペインに行きたくなってしまう映画。ストーリーはほとんど関係ない。風景やら登場人物、そしてそのシチュエーションを見てそう感じてしまう。

バルに行きたくなるし、あんな家族の中に混じって会話したくなるし、ママンの作ったトルティージャが食べたくなるし、カラマレス・フリートをお土産に持って帰りたくなるし、あんな田舎でおばあちゃんたちに囲まれて歌を歌いたくなるのだ。

映画ってあくまでフィクションなのに、あまりにリアリティーがありすぎる。言い過ぎ覚悟でいうと、「スペイン人ってこの映画みたいな感じ」です。スペイン人がこういう失恋をしたら、実際ああいう風に解決するんだろうと、心からそう思う。彼女の友達との件も、実際あんな感じだと思う。そして、極めつけは主人公の母親。この映画ではアルモドバルの映画の常連であるチェス・ランプレアヴェがその役をやっているのだが・・・・素敵過ぎる。やっぱ大好きだ。あのば〜ちゃん。台詞が素敵なのもあるが、おいらはああいうスペインのママやば〜ちゃんをよく知っている。個人的には彼女とその娘(主人公の妹)との会話、そして彼女たちと主人公との家でのやりとりをみるだけでも価値があるように思われる。恋愛ストーリーの部分はおいといて。

ストーリーに関する部分でも、最後のシーンは「レオ・・・あんたかっこいいよ・・・かっこよすぎるよ!」って鳥肌がたった。あの最後の表情はすばらしい。惜しむらくは、最後の最後のあのシーンはかなりいらなかった気がする。扉を閉めながらの、あのレオの表情で終われば、おいらとしてはかなり花丸であったのに・・・。

ということで、この映画はアルモドバルの、ある意味マニアックな映画を期待してみたら外すと思うが、スペインにいたことのある人だったら楽しめる様な気がする。ストーリー重視だとしても、同じような話の中では楽しめるると思う。レオのあのめまぐるしく変わる感情の起伏や奇怪な行動も、全く持って日本的ではないが、誰しもが持っているもんだと思うし、経験のある人なら、たぶん理解できるかと。たまに「怖わいよぉ〜」ってなるけど。

そういえば、映画のタイトルである「私の秘密の花」。これは原題の直訳なのだが・・・なんでそういうタイトルがついてるのか、未だにわからない。

追記
スペインでどこかの家族の家に遊びにいくと、この映画のように必ずといっていいほど、「持って行け」攻撃を受ける。仮に断ったとしても、めげずに次から次へと・・・最終的には大量の手みやげ(主に食べ物(食材、料理ともに))を持って帰ることになる。あとついでに書いておくと、スペイン人のおばちゃんたちの話す速度と量は日本とは桁違いである。映画は極端な話ではなく、現実である。

蝋燭
2007年06月01日 (金)
電気代を節約するというのがヨーロッパでは基本なのだろうか・・・蝋燭を良く使う。留学当初は同居人が電気もつけずに、蝋燭を一つだけともしてテレビをみているのをみて「なにやっとるんじゃこいつ・・・目悪くするんじゃないか?」と思っていたが、真似して蝋燭を買ってきて、電気をつけずに蝋燭で生活していると、目に優しい蝋燭の灯火に徐々にはまった。

スペインに限らず、今回いったチェコやハンガリー、ドイツなんかでも蝋燭はよく使われている。ドイツのとある店では、昼間なのに蝋燭に火をともすところもあった。もしかしたら天井の高さ(日本の家屋よりもあちらは天井が高い)とかも関係してくるのかもしれないが、数多くともせば十分に明るくなるし、レストランだったら雰囲気作りにも一役買ってくれるので、なるほど納得・・・とうなずける。

おいらもスペインの部屋で誰かと呑むときは、よく蝋燭を使っていた。なぜか酒がすすむし。蝋燭のタイプはいろいろあるのだが、IKEAとかでも買える2cmくらいの高さの丸い蝋燭を常備していた。入れ物は雑貨屋に行けば、いくらでもかわいらしいのはある。

先日、ふと部屋の片付けをしていたら、だいぶ前に買って忘れていた大量の蝋燭がでてきたのと、Santiago de Composteraで訪ねたロマネスク教会で赤くぶっとい蝋燭(教会なんかで良く使われているヤツ)を50centimoで買ってきたのもあって、最近はすっかりまた蝋燭生活になってしまった。

とても落ち着いた気分になれるのが蝋燭のいいところなのだが、金曜日にそれをやるとえらく切なくもなることが今日判明。「生まれてきてごめんなさい」モードに突入。

呑みに行くか・・・と考えたところで、日本は「急な誘い」に弱い国。夜の9時過ぎに誘うだけ無駄なのもわかっている。こうなったら映画しかない。てなわけで、今日も映画。


【MATANDO CABOS】(カクタス・ジャック)


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【点数】2.7点(5点満点) 【スペイン語のわかりやすさ】7(最高10)

【制作年】2004年 【制作国】メキシコ 【監督】アレファンドロ・ロサーノ 【公式サイト】こちら
【キャスト】トニー・ダルトン、クリストフ、ペドロ・アルメンダリス、アナ・クラウディア、ロシオ・ヴェルデホ、グスターボ・サンチェス・パラ、ラウル・メンデス、ホアキン・コスオ

【感想】

まずはあらすじ。この映画もどこまで書いていいのかわからんから、gooのをパクらせてもらう。

青年ジャックの目の前で、ひょんなことから恋人の父親であり、街の実力者として恐れられているカボスが気を失ってしまった。しかもジャックが助けを求めに外へ出ている間に、カボスに恨みを持つ掃除係のチーノが、カボスのスーツや時計をはぎ取って外へ出た。友人を連れて部屋に戻ったジャックが目にしたのは、下着姿のカボスだった。一方、そんなことは露知らず、カボスを誘拐しにやってきた2人組は、まちがえてカボスの服を着たチーノを襲撃し、拉致してしまった…。

この映画・・・おいらが借りたものではないのだが、映画感想サイトでとても評判がよく(おいら自身は映画を見るさい、前知識は全く入れない)、タランティーノっぽく、さらには最近あたりの多いメキシコ映画ということでみてみたのだが・・・。

なんか微妙な映画だった。おバカ映画(単純な娯楽映画)なので、ストーリーに無理があるとか無粋なことは言わないが、どうにもこうにも詰め込みすぎ。そして、盛り上がるまでの前半が冗長すぎ。でもって、コメディー要素の部分で全く笑えない。とまぁ、感想書くにも困った状態だ。

娯楽映画なのはわかるが、欲張り過ぎな気がした。映画で見所となる派手な部分が多すぎるし、コメディーあり、サスペンスあり、アクションあり、血あり、歌あり、恋愛あり(?)、多少のエロあり・・・と忙しい。もう少し削れば面白かったような気がする。前半が冗長な分だけ、とにかく後半が忙しい。

タランティーノっぽいという評価もわからんではないが・・・くだらないが細部にこだわった最後の会話シーンくらいで、あとは中途半端。クドクド考えずに見ればなんとかなるが、特にこれといって「ここが良かった!」ってところはでてこない。

だもんで、映画の感想というよりは個人的に気になった点を書いておく。

ボッチャ役のラウル・メンデス・・・動きがとてもゲイリー・オールドマンに似ていた。顔もなんとなく似ているのだが、「え!?何するの!?マジで?」ってなシーンでの彼の演技と重なるのだ。重なるっていうか、真似してるんじゃないかと思うくらい。終盤のジャックの部屋でのシーンは特にそう感じた。

原題はMATANDO CABOS。CABOSはキーとなる会社の社長の名前。MATANDOはMatar、殺すの活用。これを日本語訳してタイトル付けするのはかなりしんどいが、なぜ「カクタス・ジャック」?なんかプロレスラーの名前でそういう名前があるらしいが(映画を調べていたら、検索された)、この映画となんか関係あるんだろうか?カクタスはサボテンのことをさしているのだろうが、スペイン語だとカクトゥス。メキシコではカクタスとなるんだろうか?カタカナ表記にするとカクタスになるだけなのだろうか?ちょっと気になる。

あの歌のシーンと、カーアクションのところは必要だったのだろうか?あのカーアクションのところだけでも、メキシコ映画にしてはえらく金がかかった気がするのだが。

スペイン語は結構聞き取りやすい。南米出身の俳優を使っているようだが、なんかスペインのスペイン語を聞いているような気分だった。唯一、ジャックの彼女のスペイン語だけは、メキシコっぽかった。ただ、おいらも南米にいったことがなく、知り合いとほかの映画から判断しているため、正確なところはわからず。メキシコシティーの友達のスペイン語はかなり聞き取りやすかったので、都心出身の人はメキシコ人でもわかりやすいのかもしれない。

スペインのスペイン語っぽいと書いたが、メキシコ映画だけあってGuey!(グエィ)とPendejo(ペンデホ)は、ほかのメキシコ映画同様、かなの頻度で使われていた。グエィもペンデホも日本語訳が難しいが、グエィは・・・なんて言えばいいんだろう・・・呼びかけるときのスラングといえばいいんだろうか。おいらの持っているスペイン語辞書にはでていないので、南米・・・あるいはメキシコのみで使われるスラングだと思われる。「(わかってるか?)オマエ」みたいな感じ。いや・・・微妙に違うな・・・。「おまえ」よりも、もうちょっと下品な感じだが、かなり仲のよい友達同士でも使うっぽいので、すでに悪い意味の言葉というよりは、日常的な単語の一つなんだろう。アメリカ人の「Fuckin」も意味がすごいわりには、なんにでも使われるし。あんな感じ。Pendejoは完全に悪口。ただ、悪口の少ない日本では、これまた訳が難しい。辞書だと「卑怯者、卑劣な者、臆病者、ばか者」となっているが、これらの単語を会話中にいれるとなると、日本だと結構難しい。まぁ、そんな感じの意味ととっておいて、あとは映画の実際の台詞の中で置き換えるしかない。

ということで、個人的にはあまりオススメしたい映画ではないが、メキシコのお馬鹿な映画をみたいというならいいかもしれない。ただ、結構、暴力やら血だらけシーンもあるので注意。あとしつこいようだが、コメディー要素は笑えない人には全く笑えないかとも思われる。

Mi Cumplean~os 2007
2007年05月31日 (木)
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今日は特に書くことなし。映画をみてないどころか、人間が生きていくためにしなくてはいけない活動以外は何もしてない。そして、いつしか考えることもやめた。

ってことで、チェコ、プラハでの話の続きをあと少しだけ書く。

将軍ロベルトと無事(?)別れ家に戻って爆睡したところまでは、一昨日くらいの日記で書いた。その後。

夕方4時くらいまで寝たあと、もっさりと起き、ラジオから流れる80'Sの曲をBGMにラジオ体操。冷蔵庫にストックしてあったPivoで迎え酒。やはりチェコのPivoは旨い。日本のビールがまずいといいたいわけではない。物が違うのだ。全く別のアルコール飲料といっていいほどだ。本当に同じ、または似たような製法で作っているのか?というくらい違う。「日本のビールは日本人の舌に合わせてるんだ」とかいう理由なのかもしれないが、呑んだくれのおいらにはチェコのPivoの方が断然旨い。たぶん、「日本のビール」党の人の中でもはまる人がいると思う。

前日の日曜日までパスクア(聖週間。チェコ語でなんていうか不明)のイベントで、見所の中心となる旧市街広場は食べ物やら土産物やらの屋台で埋め尽くされていた。それはそれで楽しかったのだが、おいらが見たかった「ヤン・フス」(15世紀の人間。宗教革命の発端となった人。処刑された)が見れなかったのが痛かった。イベントやってなくても、あるいは何らかの工事でみれなかったような雰囲気がしなくもなかったが・・・。

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食べ物はブタの丸焼きを看板にした「豚肉サンド」屋とか、Pivo屋さん、チェコ版ケバブ屋などが多かった。土産物の方はかなり多種多様なのだが、チェコのTIPICO(特産?)であるマリオネット人形、木彫りの玩具、マトリョーシカ屋がほとんどであった。ちなみに、マトリョーシカはロシアのTIPICOだが、チェコでもまるで「我が国のTIPICOでもあるねん!」と言わんばかりに、あっちこっちに店がある。まぁ、歴史的に理解はできるので、チェコのTIPICOといってしまってもいいのかもしれない。あまりに多いので、クルテクの時同様、根負けて買ってもいいんじゃないか・・・って気さえしてくる。もし買ったら、酒の友が一気に増える。賑やかでいい。たった一つ買っただけで、あら不思議・・・7人の友が・・・大きさも違うから名前とかつけちゃったり・・・でも、何とか乗り切った。やっぱロシアだし。

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この日は、ヨーロッパでもかなり大規模な「プラハのユダヤ人街」なるものを見ようと、意気揚々と出かけたが、拝観料がエラク高い。いや、実質的には高くはない。そのチケットがパスポートチケットタイプで、近辺にあるユダヤ系建築物や博物館にすべて入れるというものだったのだ。値段は確か350コロナか400コロナくらい。ユーロに直すと13euros(1euros=27コロナ)くらいになってしまう。しかも、あと45分くらいで全館閉館時間となってしまうという。チケット売り場のおばあちゃんに「別に買ってもいいけど、あと1時間ないわよ・・・それでもいいなら別にいいけど・・・」みたいなことをチェコ語で言われる。

「なんて挑戦的な言い方をするば〜さんだ・・・」と思いながらも、向こうが言ってることはもっともなのであきらめた。大好きなシナゴガが・・・。

しょうがないので、シナゴガの外観とユダヤ人街っぽい町並み・・・あとユダヤ系の書籍を扱っている本屋などを見て遊ぶ。本屋でかなり渋い六芒星(ダビデの星)のマークがついた本を見つけたが、値打ちもんなのか、エライ高かったためこちらもあきらめた。そういえば、懐中時計屋さんも見つけてここでも遊ぶ。なんか店主が眠りこけてたら小人が出てきて、時計を直してくれそうなたたずまいの店で、おいてある時計も動くのか動かないのかかなり不安なものが多かったが、渋いデザインで一瞬心ときめいたのだが・・・これらもおいらには高すぎた・・・。

やっぱ世なのか金なのか?

適当にクネクネ曲がりながら(ユダヤ人街に限らず、プラハの街はかなり道が込み入ってて歩くだけで楽しい)写真を撮ったりなどして過ごす。たまに日本人を見つけては「今日のタメに声かけるか・・・」と思うのだが、逡巡しているウチに逃げられた。ある一人の男性観光客とは、散歩中何度かすれ違いそうになったのだが、そのたびに方向転換というか、おいらから遠ざかるような道に曲がられる。その動きは、明らかに避けていたように思われ、ちょっとへこむ。そんなに怪しそうに見えたのだろうか?カップルも何組かみかけて、そのたび考えたが、どれもこれも新婚さんにみえてしまうようなベタつき具合で、悔しいので声かけるのやめた。おいらにはピヴォがいるもんね。

約束した二人はツアーで夕食がついているといっていたので、おいらも夕食はとっておくことにする。場所は宿からほど近いレストラン。すでにいきつけとなっている店。名前は「Skorepka」。店先に飾られている写真付きの看板がいかにも「観光客用」という感じがしたが、値段も適度だし、いかにもTIPICOらしい料理が多かったのがきっかけでそこに入ったのだが、あたりな店であった。

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ず〜っと豚肉(チェコのTIPICOというので)ばかり食べていたし、呑むまえだったので、多少あっさりしたものにしようと、鶏肉料理を頼んだのだが・・・なぜかベーコンが巻かれた鶏肉料理がでてきた。鶏肉に豚肉???としばらく不思議な気分で料理を見つめてしまった。さらに、マッシュドポテトの上にグラタンみたいなのをのっけたやつがかなりヘビーで、胃もたれ。年寄りにはつらい。ヨーロッパに「あっさりした料理」を求めてはいけないのだろう。あっさりがいいなら「サラダ」。それしか選択肢はない。ただ、チェコの料理は付け合わせというか箸休め程度に野菜がついてくることが多い。トマトとキュウリに何度助けられたことか。

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120コロナ(5euros)くらいだった気がする・・・

料理が出てくるのが思っていたよりも遅く、さらには思っていた以上に量が多かったため、一時間以上前に店にはいったにも関わらず、あわてて食べる羽目になってしまった。

9時ちょうどに店の前に到着。スペインいってからというもの、かなりプンチュアル(時間を守る人間)になった。待たされる人間の気持ちを理解できるようになったからだ。スペイン人全部とはいわないが、まぁ、最低45分は待つから。おかげで、1時間半までは余裕で待てるようにもなった。

ツアーなので、多少時間が延びたりすることもあるだろうと、すぐ近くにあるスーパーTESCO(テスコ)に行って今日の夜、自宅でピヴォと呑むためのVino(ワイン)でも買うことにする。が、レジにエライ行列ができていたのと、冷蔵庫にまだPivoが2本(500ml)が残っていることを思い出したので、やめて引き返す。

集合場所に戻ると窓をのぞき込むアジア人二人を発見。無事合流。

呑み場所は、集合場所でもあった「ウ・メドヴィドク」でもよかったのだが、将軍ロベルトに見つかるといいわけが面倒だし、昨日のようなパターンはさすがに困るので、違う店に行くことにした。

店に入ってとりあえず自己紹介をすます。とりあえず、あだ名・・・そうだな・・・ファライさんとナアスさんにしよう。この二人は、おいらのルートとは全く逆で、ブダペスト→ウィーン→プラハと来て(ウィーンとブダペストが逆かも)、次の日にパリに行くというスケジュールであった。パリはすでに何回か訪れていて、ツアーから離れフリーで6日間ほど滞在するとのことだった。

名前や旅の期間、ルートに続いて、職業の話になったのだが、ここでようやく何日も前に書いた記憶力の話になる。

全員東京で働いていたということもあり「どこで働いていたのか?」という話になったのだが、おいらはあろうことか・・・1年以上働いたにもかかわらず自分が通勤につかっていた職場の最寄り駅を思い出せなかったのだ。「え〜〜やばいんじゃないの〜!」といわれ、おいらもそのことの重要さに本気で周章狼狽する。しかし、いくら思い出そうとしても思い出せないのだ。挙げ句の果てにはクイズのような形になってしまう。

「何線?」
「え〜〜っと丸の内?いや違う・・・なんだっけ・・・」
「近くに何ある?」
「え〜っと・・・靖国神社!」
「あ〜九段下だ!」
「違う!!でも、惜しい!!!かなり近い!」
「え〜靖国神社でしょ?」
「そう!九段下とその駅の中間くらいに靖国神社があるの」
「四谷?」
「あ〜〜〜〜!!それも近い!惜しい!」
「神保町?」
「いや。その沿線じゃない」
「永田町?」
「ああ〜〜〜!!その駅で乗り換えてた!」
「あそこって何線走ってたっけ?」
「・・・丸ノ内線?違う・・・でも、そんな感じの名前」
「どこだろう・・・」

丸ノ内線なんか、片手で数えられるくらいしか乗ったことないのに、なぜか「何線?」というと、丸ノ内線がでてくる不思議。

15分くらいこの無駄なクイズは続いた。あまりの恥ずかしさと、こんな会話でせっかくの誕生日を過ごしたくなかったので「まぁ、話を変えよう・・・」と言おうと思った直後・・・ふと頭に一つの駅の名前が思い浮かんだ。

「あ!!!市ヶ谷だ!市ヶ谷!!」
「あ〜〜!市ヶ谷か〜」

ホントどうでもいい話なのだが、記憶力が自慢のおいらとしては、かなりの問題であり、「なぜ忘れたのか?」ということを、その日以来しばらく考えさせられる羽目になった。

ところで、このファライさんとナアスさんは旅慣れていた。そして、英語が話せるナアスさんはその夜とても重宝した。「やっぱ英語は話せたほうがいいよな〜」ってこれまで幾度となく感じていることを改めて実感。で、旅慣れていたのもあり、これまで行った旅の話で盛り上がる。その中の一つで「どこの国の男がかっこよかった(かわいかった)か?」という話で、ナアスさんは「エジプト」を選んだのだが、おいらにとっては「エジプトの男はうちのパパンみたいだ」というイメージがあったため、ちょっと不思議であった。

小一時間話したところで、今回誘った理由を話す。最初に言えば良かったのだが、「30超えた男が誕生日一人は寂しい」と、あったばかりの人に言うのは「無職なんです」というよりもなんとなく恥ずかしいことに思えたからだ。が、それを言わないことにはFiesta de Cumplean~osにならないので、恥を忍んで言ったのだが、その結果、初めてあった人に、しかも、ある意味強引な形で誘ったというのに・・・おごってもらってしまった・・・。恥ずかしすぎる・・・。カードで支払いたいし、明日からパリなのに「コロナ」でもらってもしょうがないという彼女たちの言葉で自分を納得させた。うぐむ。

11時半・・・店を出る。プラハは観光地なのだが、意外とその夜は短い。いや、それが普通なのだろうが、スペインでの時間感覚を引きずっていると、いろんな国で夕食時間や呑み時間に困ることになる。日本同様7時くらいからみな飲み始めるのかもしれない。てなわけで、特別な店をのぞいては11時〜11時半くらいにはしまってしまう。もちろん空いている店もそれなりにあるのだろうが、街全体は11時半には暗くなってしまう。たまたまおいらの行動範囲がそうなだけだったかもしれないが・・・。

明日からパリと言っていたので、ここでお開き・・・と思いきや「呑み足りない」と彼女たちはのたまう。Vino1本にPivo一杯じゃ当然おいらも呑み足りないので、「いざ、ゆかん!」と3時過ぎまでやっている店にいくことに。心の中でピヴォに謝る。すまん・・・おいらにとって「会話ができる」という状況に勝るものはないんだよ・・・。

二件目の店でチェコ人がなぜか葉巻をくれた。吸い口がガラムみたいな味のする葉巻。お礼にうちらが注文したVinoを勧めたのだが、彼は一人でまったり呑みたかったのか、しばらくして帰ってしまった。

酒がすすみにつれて、徐々にファライさんとナアスさんの関係がわかってきた。その関係はおいらと康雄の関係に何となく似ていた。ファライさんの方がナアスさんよりも年長だが、ぐいぐい引っ張っていくのはナアスさんの方。英語を話すというのもあるが、積極的に動くのは彼女の方だった。ファライさんの方は、行動的にはナアスさんに助けられつつも、精神的な方ではナアスさんを助けているといった感じに見えた。ムードメーカーというべきか?二件目に入った時も「じゃ〜マサキとナアスで注文おねが〜い!私はこの席を見張っておくから〜♪」てな感じ。店内はガラガラだったのだが・・・。

そんな感じなもんだから、賑やかにしたい夜にはうってつけの2人であった。ここ数日間の無会話の日々の苦悩(会話があっても意味が通じないも含め)をすべて帳消しにしてくれた。そういえば、日本人では珍しい写真の撮らされ方もした。

ナ「ねぇ〜カメラ持ってないの?観光客でしょ〜?」
お「え?持ってるけど・・・店内暗いから撮ってもね〜」
フ「違う!私たちを撮りなさいよ〜!」
お「・・・・はい」

ってことで、Vinoのグラスを小道具に、各自ポーズをとった写真を数枚撮らさせていただいたが、フラッシュがきつかったのか、満足していただけなかった・・・。とはいえ、ず〜っと風景ばかりとってきたので、人の写っている貴重な写真になった。

この店では閉店までVinoを3本ほどあけた。まだ話は続いていたのだが(途中、ファライさんの方はかなり眠そうであったが)、追い出されるような形で店を後にする。

そろそろお開きするか・・・と思いきや、まだ呑むとのたまう。「もう半分寝てるやん!」と思いながらも、呑んだくれるのは吝かではないので、当然OKする。しかし、時間はもう4時近い。やっている店もあるのかもしれないが、不案内な土地では、それがどこにあるかわからなかった。とりあえず、やっていそうな店を探すために、15分ほど近くをふらつくが、どこも見事にしまっていた。

お「空いてる店ないよ・・・」
フ「ないね〜」
お「宿に戻ればビールが2本ほど残ってるけど・・・それじゃ〜全然足りないし」
フ「じゃ〜宿いって、お酒買ってくれば。」
お「おいらは自分の宿だから、それはそれでいいけど・・・明日朝早いんでしょ?」
フ「お昼くらいの便だから大丈夫。」
お「そっちが良ければいいけど・・・」

ってことで、おいらの部屋で呑むことになる。広い部屋だから10人来ても問題ないが、酒がないのがいただけない。こんなことなら、集合前に無理してVino買っておくべきだった・・・と後悔した。

とりあえず、部屋に2人を連れて行き、ビールを出したあと、おいらは買い出しにでかける。かなり期待は薄かったが、ダメもとで夜中のプラハを練り歩く。人通りは見事になく、街は静まり帰っていた。前日に将軍ロベルトに連れられていったようなカジノを見つけて、「ワインをボトルで売ってくれ」と頼んだが、そういう売り方はしてないのか見事に断られる。アテもなく旧市街を練り歩くもやはりみつからない。もしかしたら、初日に散策したドナウ川付近だったらやってるかも・・・ディスコテカに行列ができていたし・・・と思い行ってみたが、ココも見事に静まり帰っていた。やはり4時過ぎに酒を探し求めること自体間違いなのだろう。

40分ぐらい酒を探し歩いただろうか・・・あきらめて宿に戻ることにした。

部屋の前の扉を開けた時、異変に気づく。話声が聞こえない・・・なんだか嫌な予感がする・・・もしかしたら・・・と思って部屋の扉を開ける・・・

二人とも爆睡

「な、なんだなんだ・・・この危機感のなさは・・・緊張感のなさは・・・」

酒を買えなかったというむなしさにプラスして、もしかしたら、おいら・・・男としての何か欠落しているんじゃないか?という切なさもこみ上げてきた。嗚呼、不甲斐ない。少しぬるくなったピヴォを呑みながら、ぼ〜っと考える。

二人とも膝くらいまであるブーツを履いたまま爆睡していた。おいらの部屋じゃないが、シーツを汚すのもなんなので脱がすことにしたのだが・・・一生懸命引っ張ってもぬげない。二人とも脱げない。どうやって脱がすんだ!あれこれいじって起きられでもして、あらぬ誤解を受けるのもイヤなので諦める。嗚呼、不甲斐ない。

酒を探し歩いたおかげで、酔いはすっかり覚めていた。もう会話する人もいない。ぬるくなったPivo以外もう酒もない。眠くもない。

しょうがないので、読みかけの本の続きを読んで過ごした。。

次の日の朝、タクシーが拾える場所まで連れて行き、あわただしく別れた。別れ際にファライさんに尋ねる。

お「ねぇねぇ・・・そのブーツ・・・どうやって脱がすの?」
フ「え??内側にファスナーがあったでしょ?」
お「・・・・」

嗚呼、不甲斐なし。

ウガチャカウガウガ♪
2007年05月30日 (水)
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ウガチャカウガウガ♪ウガチャカウガウガ♪

Reservoir Dogsの曲が頭から離れなくなってしまったため、今日は一日中、レザボアのサントラをかけていたら、余計頭から離れなくなってしまった。

昨夜・・・というか、今朝は結局もう一本映画を見た。

【Coffee and Cigarettes】(コーヒー&シガレッツ)

【点数】3.8点(5点満点) 

【制作年】2003年 【制作国】アメリカ 【監督】ジム・ジャームッシュ 【公式サイト】こちら
【キャスト】ロベルト・ベニーニ+スティヴン・ライト/ジョイ・リー+サンキ・リー+スティーブ・ブシェミ/イギー・ポップ+トム・ウェイツ/ジョー・リガーーノ+ヴィニー・ヴェラ/ルネ・フレンチ+E・J・ロドリゲス/アレックス・デスカス+イザック・デ・バンコレ/ケイト・ブランシェット/メグ・ホワイト+ジャック・ホワイト/アルフレッド・モリーナ+スティヴ・クーガン/GZA+RZA+ビル・マーレイ/ビル・ライス+テイラー・ミード

【感想】
詳しく調べてないので正確ではないのだが、ジム・ジャームッシュが1986年に作った短編(ロベルト・ベニーニとスティヴン・ライトの二人だけっぽい?)を作ったようで、そんな短編のショートコント(?)を11本作ってまとめたもののようだ。

タイトルからわかるとおり、コーヒーとシガレッツという両方をこよなく愛す人間なら「不動」ともいえる組み合わせを、おしゃれな感じで短編として作っている作品。コーヒーとシガレッツはあくまでも小道具なのだが、必要な人間にはなくてはならない存在。その辺を絶妙に描いている。

DVDにおまけ映像でいろいろ説明しているのだが、ジム・ジャームッシュが「組み合わせたら面白そうだな〜」と思う人間に出演依頼をし(だいたい二人or三人一組で)、台本を書いたという。

映像と日常のようで、あまり日常にはないような会話を楽しむ映画で、あらすじとかそういう類のものはない。ただただぼ〜〜〜っと1話ずつ見ていけばよい。深く考える必要などまったくない。

もちろん、タバコが好きな人、コーヒーが好きな人は、この映画をみながらタバコとコーヒーという黄金の組み合わせを楽しむべき。よりいっそう楽しめるから。イギー・ポップとトム・ウェイツの一話では、ほんとうにうまそうにタバコを吸う。悔しいくらい。

笑えるシーンは多いのだが、会話がはずまなく、なんとなく気まずいシーンが多かったため、見ているこっちが「そわそわ」してしまった・・・ほかの人はしらんが、おいらはそう・・・ので、ちょと点数は下げた。

キャストはジム・ジャームッシュが厳選しただけあって、面白い組み合わせが多い。彼らを知らなければ、その点を理解するのは難しいかも。個人的に「おじいちゃん映画」は大好きなのだが、彼らを白黒映像で撮るもんだから、味わい深し!おいらも早く白黒が似合う男になりたいものだ・・・最後のビル・ライスとテイラー・ミードの話は・・・もうなんというか・・・いい!!

あ、そうだ・・・この映画にもスティーブ・ブシェミがでていて大興奮。あの顔で、あの声で・・・まくし立てるように話す時の彼が一番かっこいい気がする。

どうでもいいが、おいらがすっているタバコは「CAMEL」ラクダとピラミッドの絵柄のタバコだ。今の三種類(メンソールが再販されたので今は4種)はパッケージデザインがかわってしまい、かなり劣ってしまったのだが、おいらがこのCAMELを吸い始めたのは、コーヒーに似合うから。当時もっていたデジカメで、ドトールのコーヒーと組み合わせて一生懸命撮った想い出がある。昔のCAMELはラクダの横に柱が二本経っていたし、いまみたいに「喫煙は、あなたにとって・・・」という「大きなお世話な一文」がついてないので、本当にかっこよかった。

禁煙ブームの昨今に、このようなこと書くと石投げられそうだが、「少しくらい、脱ヘルシー〜人間だもの〜♪」(By奥田民生)ということで書かせてもらう。吸っている人間も「百害あって一利なし」なのはわかっているのよ。周りに迷惑かけてまで吸うな!と目くじらたてる人の気持ちもよ〜〜〜くわかる。おいらも大学2年生まではそうだったから。でもね・・・でもね・・・。

ほんと、何で「煙」がうまいんだろうね〜。不思議。

ということで、タバコとコーヒーが好きな人は是非是非みてください。タバコとコーヒーがキライな人も、彼らをみたら・・・なんか変わるかも。見てみてくださいな。嫌煙者と愛煙家のやりとりもあるから。ハリウッド映画に飽きてきた人にもいいかな〜。

たぶん、今日からはトム・ウェイツのCDがヘビーローテーションになりそうだ。「Closing Time」。かなり秀逸なアルバムです。あと、「フィッシング ウィズ ジョーン」にもトム・ウェイツはでてます。こちらも「釣り」にいくだけの話だけど面白いです。おいらは釣りはしないけど・・・。



見る映画も切れたので、夜中にマリ邸にDVDを借りに行く。「Mujires al borde de un ataque de nervios」(神経衰弱ギリギリの女たち)。アルモドバルの映画。前に二回見ているので、今回で三回目。まぁ、細かくは見てから書こう。

先日の日記で日の出は4時半と書いたが、車に乗ってわかったが・・・3時48分にはすでに空は白茶けていた。なんたるっちゃ!やっぱり何かが狂ってる。

車通りはほとんどないのだが、やたらバイクが多い。なにごとだ・・・と思ったら新聞配達のバイク。ご苦労様です。

4時前には動きだしてるのか・・・この時間帯ならおいらにもできそうな気がする。小学校3年生のとき、なぜか九州で一日だけ新聞配達をやったことがある。話すと長くなるので書かないが、とにかく新聞配達をやったのだ。手伝ったのだ。公営団地みたいなところの階段を何往復もし、賃金は1500円いかなかった気がする。働くって大変・・・って思った。だから、いま働いてないのか・・・いや、関係ないな。


話は飛ぶが、スペインには新聞配達がない。新聞は配達するものではなく、売店で買う物だからだ。だから、「この洗剤と野球チケットにプラスしてディズニーランドのチケットもあげちゃいますから、新聞とってくださいよ〜!」(これはバブルの時代の話か?)なんて勧誘はない。

じゃ〜どうやってスペインの新聞は購買部数を伸ばしているかというと、おまけをつけるのだ。おいらがスペインにいたときだと映画のDVD。土曜日と日曜日の新聞についているDVD割引券を切り取ってもっていけば、DVDが日曜日なら5euros前後、土曜日なら2.5eurosくらいで帰るのだ。今のレートだとそれほど安い気がしないかもしれないが(800円or400円くらい)しまうが、当時は500円と250円くらいででDVDが買えるということで、必死に集めていた。おいらではなく、Santiがだが・・・。なぜなら、おいらはスペイン語の新聞はとてもじゃないが読めない(写真付きor三面記事程度)から、新聞を買ってもしょうがなかったのだ。


職権乱用というわけではないが、Barにおいてある新聞なんかは必ず、その割引券が切り取られている。客がいない時なんかは、目の前でハサミでちょきちょき切り取っている。それがBarの店主のものになるのか、バイトのものになるのかわからないが、切り取っている彼らの姿をみて、いつもうらやましく思ったものだ。

その割安で買えるDVDは、当然ほとんどがスペインの映画(ヒッチコックなんかもある)なのだが、日本では手に入らないDVDばかりで、さらにはかなり有名所のDVDもあったりするから嬉しい。ある程度特集を組んでいたり(アルモドバル特集とか)、市販されているDVDみたいにカラフルなデザインのDVDジャケットになっているわけではないが、ちゃんと巻数がついているので、コレクションするにもちょうどいい。まぁ、この巻数がついているおかげで「あ〜〜〜!4巻買い忘れた〜!」と忸怩たる思いをすることもあるのだが・・・。

日本の場合、このシステムにしたらどうなんだろう・・・。利害がからんで、そんなことになるわけもないのだが・・・。


日記に戻る。

寝たのは6時ちょっと過ぎ。ようやく寝れる・・・と思ったのもつかのも、ものすごい音で目が覚める。

「おいおい・・・何時だよ・・・なんか下にパパンとママンの声が聞こえるじゃん・・・」

時計を見ると8時ちょっとすぎ。

いまおいらの部屋の真裏でマンション(3階建てくらいらしいが)の工事をやっていて、その鉄パイプを打ち込んでいる音であった。

意地でも寝てやろうと思ったが、音が高音なので、耳に響き、とてもじゃないけどねていられない。つい最近までは掘削作業、またはコンクリを破壊する工事なので、重低音の音で、体が揺れるくらいで、余裕で寝ていられたのだが・・・。

しょうがないので、もっそり起きて、朝食をとり、それからひたすら今デザイン中の・・・といっても、全く進んでいないのだが・・・MTのデザインを考える。デザインといっても、特にデザインするようなものは何もないのだが、最初にある程度大きく見ておかないと、改築がしづらくなるので、ここは慎重に。

今書いている日記も、そちらにきちんとコピペしているので、2週間もすれば、MTでの日記の見え方がわかるかと思われる。あともうちょっとの辛抱だ。


そういえば、今日、おいらが登録している派遣会社の担当から直接電話があった。なんか、旅前に働いていた会社・・・つまり旧石積み場である「賽の河原」が、「もしおいらが帰ってきたら、またうちで働いてくれるかどうか聞いてください」といっていたという。

「ごめん・・・それは無理だわ。」

必要とされるのは勿論とても嬉しいが・・・会話命な人間なのです。もう二度と、あんなせっぱ詰まった「金曜日」は味わいたくありません。


追記
明日は、昨日の日記の続きと、余裕があったらスペインのタバコ事情について書く。

将軍ロベルト
2007年05月29日 (火)
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昨日の日記では記憶力の話をしたかっただけなのに・・・。今考えるとどうでもいい話なので、将軍ロベルトについて、もう少し詳しく書いておこう。

ロベルトはその日、プラハの博物館だか美術館に行き素敵な「脇差し」をみたらしかった。なぜチェコ人の彼がわざわざその博物館にいったのかはわからないが、もしかしたらその「脇差し」をわざわざ見に行ったのかもしれない。それが一度目だか二度目だかはしらないが・・・。

そんな素敵な脇差しをみて興奮しているところに、日本人のおいらがいたもんだから、話しかけてこないわけがない。チリ人のルーベンと盛り上がっているおいらの耳元で「ワキザシ!」ときたわけだ。

これまでいろんな外国人に突然日本語で話しかけられるということは、幾度となくあるが、「ワキザシ」といわれたことはかつて一度もない。だから、最初、おいらの聞き違いだと思ったのはしかたがないことだと思う。

お「ワキザシ?」
ロ「ワキザシ!」
お「ワキザシ・・・って・・・短い、これくらいの刀のワキザシ?」
ロ「カタナ!カタナ!」
お「・・・あってるのかよ!」

彼は「ワキザシ!」という単語を発するとき、必ずおいらの心臓やら脇腹あたりを「グワシュッ!」と効果音つきでえぐるように刺してくる。彼としては冗談なんだろうが、体がでかいし、酔っぱらっていて力の加減ができないのか、これがエラク痛い。

これはなんとかしなくては・・・と思いつつ、彼と日本の歴史について話をしていると、次は「ショウグン!」という単語を発してきた。ワキザシのあとにショウグンっていわれたら、もう「将軍」のことしかない。ここでひらめいた。

お「ロベルト・・・おいらは日本人だ。わかるか?」
ロ「日本人・・・ワキザシ・・・グワシュッ!」
お「だから、痛いって・・・ちょっと聞け!」
ロ「なんだ」
お「で、おいらは将軍なんだ。これもわかるか?」
ロ「おまえは将軍か!じゃ〜おれはなんだ?」
お「ロベルトはサムライだ。サムライ。それかブシだ、ブシ!」
ロ「おれ、サムライ!・・・ワキザシ!!」
お「将軍は偉いんだ。将軍はボスなんだ。ボス。わかるか?」
ロ「将軍の部下はなんていうんだ?」
お「シンカだ・・・臣下・・・。おまえはおいらの臣下だ。」
ロ「シンカはワキザシもってるのか?」
お「もってる。」
ロ「おれ、シンカ!・・・ワキザシ・・・グワシュッ!」
お「だから!おれは将軍。オマエのボスだ。シンカはボスを刺さないの!」
ロ「おれ、サムライ!」
お「わかったなら、ほら、シンカの礼を!土下座だ、土下座!」
ロ「わかった・・・こうか?」
お「それはヨーロッパでのやり方だ。日本の礼は・・・ほら、こう膝と膝をあわせてだな・・・」
ロ「こうか!」
お「そうだ、それが土下座だ。そして、もう刺すな・・・将軍は偉いんだから」
ロ「おう」

彼は自分が部下になっているということを理解しているのにもかかわらず、ちゃんと言うことを聞くことに少々びっくりしたが、とりあえずこれで刺されることはなくなったと安心していたのだが、おいらがチリ人との会話の方にうつると、寂しいのか、やはり「ワキザシ!」といって、背中あたりを刺してくる。そのたびに、「おいらは将軍だ!」といって、臣下の礼をとらせなくてはいけなかった。

そして、突然の下剋上。

ロ「おれ、ショウグン!おまえ・・・シンカ!」

ええええ〜〜〜!!!!下剋上早すぎ・・・。

調子にのった彼は、床を指さし・・・「おれ、ショウグン!」・・・と目で土下座するようにいってくる。自業自得ってやつなのか?

お「わかりやした。わかりやした。」

膝をついて、ヨーロッパ方式の臣下の礼でごまかす。

ロ「違う。日本のだ!」

お、覚えてたのね・・・。

店内で土下座する。なんたる屈辱。これは何とかしなくては・・・。またひらめく。

お「わかった。ロベルト・・・おまえがショウグンだ。おいらは臣下でいい」
ロ「おれ、ショウグン!!」
お「ショウグンはな、えらいから戦わないんだ。ボスは見てるだけ。戦うのは臣下だけなんだ。わかるか?」
ロ「ショウグン、エライ!おれ、ショウグン!」
お「OK。でな、ショウグンはな、ワキザシはもってないんだ!」
ロ「ショウグン・・・・ワキザシもってない!!???」
お「(なんて悲しそうな目をしやがるんだ・・・)」
お「そうだ。ショウグンはワキザシをもってないんだ(嘘)。」
ロ「カタナはもってるのか?」
お「もちろん。カタナはもってる。が、戦わないんだ。」
ロ「ワキザシは?」
お「ショウグンはワキザシをもつこともあるが、それは切腹するときだけだ(嘘)」
ロ「セップク?」
お「あ〜・・・ハラキリだ!ハラキリ!グローバルだからわかるだろ?」
ロ「ハラキリ!!!!」
お「そうだ。ハラキリのやり方知ってるか?」
ロ「映画でみたから知ってる。こうだろ?グワシュッ!グワシュッ!」
お「そうだ!まさにそれだ!腹をきってから、心臓だ。心臓!」
ロ「ハラキリ!グワシュッ!」
お「よし。それを練習しておきなさい。」

勝った・・・・。

話は続く。

ロ「ゲイシャは日本じゃいくらだ?」
お「コロナでか?ユーロでか?」
ロ「ユーロでいい」
お「5000ユーロくらいだ。(嘘)」
ロ「5000ユーロ!!娼婦がなんでそんなに高いんだ!!」
お「特別な娼婦だからだ。高級なんだ」
ロ「今も日本にはいるのか?」
お「いるけど、特別な場所だけだ。」
ロ「ショウグンはゲイシャをもってるのか?」
お「当然もってるさ。」
ロ「そうか。おれショウグン!」

もう途中から口からデマカセばかりいっていた。酒呑みながら話せない英語で会話するのには無理があったのだ。具体的に説明するには、おいらの英語力は全くもって足りなかったし、さらに面倒くさいときなんかは、完全にスペイン語で説明していた。スペイン語で話をされて、ロベルトはチンプンカンプンなはずなのだが、別になにもいってこない。ただただ黙ってうなずくか、おいらが話す日本語の単語を拾って、そこから話をつなげていた。

これでロベルトが、酔っぱらっておらず、ちゃんと話ができる状態だったら、いくらでもがんばろうと思うが、隙あらば「ワキザシ!」しかいわんので、おいらとしては、ルーベンたちの方に戻りたかった。しかし、最初の時点で、マジメに日本の歴史について応えってしまったため、ロベルトにエラク興味をもたれてしまったのだ。

ロ「オレ、ザ&$#!!」
お「???なんだって?ザ???」
ロ「オレ、ザ&$#!!」
お「それ、知らない。日本語?」
ロ「おれ、みた・・・映画!」
お「映画?日本の映画?」
ロ「そうだ。」
お「どんな映画?」
ロ「目がみえないんだ。そして、杖をもってて・・・」
お「あ〜〜!!ザトウイチね。タケシキタノのやつ」
ロ「そう!それだ!!!!!ザトウイチ!キタノタケシ!」
お「あれ、好きなんだ?」
ロ「すごい好きだ!!」
お「あれは「イアイ」っていうんだ。居合い!」
ロ「イアイ・・・」
お「そうだ。こう構えてな・・・敵が来るだろ?そしたら・・・こうだ!これで敵はもう死んでるんだ」
ロ「それだ!それ!なんていうんだ?もう一度」
お「イアイだ。イアイ。」
ロ「イアイ・・・グワシュッ!!!」
お「だから、痛いって!!!そこで一人で練習してなさい!」
ロ「イアイ・・・イアイ・・・グワッシュ!」
お「あ〜〜〜!!ほかのお客にやるな!」
お「すいませんすいません・・・」(ほかの客に)
お「ショウグン!黙って呑んでなさい!ショウグンの酒の飲み方はこうだ!」
お「こう、胸を張ってだな〜、肘を出して・・・そう!で、一気に呑みなさい」
ロ「おれ、ショウグン!ザトウイチ!・・・なんだっけ?」
お「イアイだ、イアイ」
ロ「違う、オマエの名前」
お「もう何度もいってるだろ〜10回目くらいじゃないか?マサキだ、マサキ!」
ロ「マサキ、シンカ」
お「そうそう。おれ、シンカ。ロベルト、ショウグン。わかったから静かに呑もうね」
ロ「ワキザシ・・・」


呑んでいた店は3時くらいまでやっている店だったのだが、ロベルトがおいらを「パンクの店」に連れて行くといって聞かない。その店はタクシーじゃないといけないという。場所はどの辺だと聞いても、「あの丘の方だ」としか説明してくれず、要領を得ない。誕生日前日のその日は日曜日だったたのもあって、両替をするのを忘れていて、金はほとんどなかった。それを理由に断ろうとしたのだが・・・

ロ「おれ、ショウグン!金は全部出す!」
お「えええ〜〜〜!」

ラッキーな申し出ではあったが、タクシーというのがいただけなかった。その店までいって、そこで呑むまではいい。だが、帰りはどうするのだ。チェコにきてからタクシーには乗っていないので相場はわからないが、タクシー代が残るほどすでに有り金はない。

ただ、興味深い話ではあった。パンクには全く興味はなかったが、いったいチェコ人がどんな店にいっているのか、またどんな雰囲気なのか・・・というのは知りたかった。まぁ、地図もあるし、最悪歩いて帰ってきてもいい。とりあえず、ついていってみることにした。

ルーベンとアメリカ人カップルにお礼と謝罪をし、12時ちょっとすぎ・・・ロベルトに連れられてタクシーに乗り込む。行き先を告げるロベルトの言葉を聞き逃さないようにしていたのだが、なんていっているのか全くわからなかった・・・。

10分も走らないうちにタクシーは泊まった。丘といっていただけあって、坂道をずっと登っていったところだった。すでに、歩いて帰れる距離じゃないような気もしたが、まぁ、なんとかなるだろう・・・とロベルトについていく。

お「ロベルト・・・どこよ・・・その店・・・」
ロ「・・・・」
お「な〜な〜ロベルト・・・」
ロ「まずここだ!入れ」
お「って、ここ普通のアパート(マンション?)やん!」
ロ「そうだ」
お「そうだって・・・・」
ロ「いいから入れ」
お「・・・って、ここロベルトんち??」
ロ「そうだ。」
お「え??何しにきたの・・・帰るのかよっ!」

なにやら部屋の奥でごそごそやっているロベルト・・・立ち上がると手には大量の札が・・・

ロ「5000コロナだ!」
お「5000コロナ!!!???200euros近いじゃんか!」
ロ「これだけあれば大丈夫だろ」
お「・・・多すぎだろ・・・」
ロ「パパ〜!」
お「!!!!」

突然、ドアを開けて電気をつけるロベルト。すると、そこには大型犬と一緒に寝ていたパジャマ姿のロベルトのパパンが・・・。おいらもびっくりしたが、ロベルトのパパンも寝ぼけ頭ながら、日本人のおいらを見てびっくりしていた。

お「おいおい、ロベルト・・・パパン寝てるだろ〜早くいこうよ」
ロ「・・・おまえの名前なんだっけ?」
お「だから〜マサキだって・・・」
ロ「パパン、マサキだ。日本人だ」
パ「こんばんわ・・・・」
お「こ、こんばんわ・・・」
お「早くいこうよ〜」
ロ「まて・・・ママ〜!!」
お「あっ〜〜!!!!もういい!いくぞ!」
ロ「わかったって。」
お「ママ〜でかけてくる」

ロベルトはおいらを両親に紹介しようと思ったみたいだが、時間帯が悪すぎるだろ。

お「で・・・そのパンクの店は?」
ロ「まぁ、待て・・・」
お「待てっていわれてもね〜」
ロ「腹減ってるか?」
お「減ってない」
ロ「そうか・・・」
お「腹減ってるなら、ロベルトはなんか食べれば?」
ロ「オレもいい」
お「で?」
ロ「まずここだ・・・」
お「ここ?ここって、カジノじゃないの?」
ロ「そうだ」
お「良く行くの?」
ロ「初めてだ」
お「え〜〜〜!!!」

だんだん訳がわからなくなってきた。スロットが沢山並ぶそのカジノで、ウォッカを3杯かっくらう。小さい店で客はうちら以外誰もいない。

お「で、うちら何してるの?」
ロ「そろそろ行くか・・・」
お「(何なんだ?)」

外にでると、3人組の男が通りかかる。

ロ「ヘイ!」
お「え?友達?」
ロ「%#$#$%#$&\$%」(チェコ語で不明)

なんか、嫌な空気が流れる。向こうはニヤニヤ笑っている。右手で3人のうちの一人ポンッと押す。相変わらずニヤニヤしている3人。そして、またチェコ語でなにやら意味不明の会話をしたと思ったら、「オレ、ショウグン!」と今度ははっきりと意味のわかる台詞を発した。そして、「いくぞ・・・」といって、おいらのところに戻ってきた。

お「友達?」
ロ「いや、知らない」
お「ええええええ!!!」

完全に理解不能。

ロ「よし、タクシーだ」
お「ええええええ!!まだタクシーに乗るの!?」
ロ「すぐそこだ」
お「だったら歩こうよ」
ロ「歩けない」
お「じゃ〜すぐそこじゃないやんか〜!」

15分ぐらいたって、ようやくタクシーが捕まる。次の目的地こそ聞き逃さないようにしようとしたが・・・無理だった。そもそも、プラハの地名自体一つもしらないので、どの単語が地名かわかるはずもなかった。

タクシーはさらに丘の奥へと向かっていった。かなりクネクネした道で、人通りは全くと言っていいほどなかった。そして、降り立った場所は、見事に人気のない場所であった。こんな場所に店なんてあるのか・・・。

タクシーを降りた場所から5分も歩くと、一軒だけだが電気のついた店が見えてきた。「よ、よかった・・・あそこにいくのか・・・」。暗闇に目が慣れてくると、いまうちらがいる場所が、どうも学校らしいということまではわかってきた。大学だか高校だかわからないが、校舎っぽい建物が並んでいた。

その電気のついた店に入る。中はとても明るかった。客は全員大学生っぽい若者で、楽しげに談笑している。カウンターに座りビールを注文。払ってもらってばかりだったので、ここはおいらが払うことにする。

ビールが到着する前に、すぐ側でギターを弾いていたおっちゃんのところにつれていかれる。店の人間らしかった。チェコ語で何か注文しているが、おいらにはさっぱりわからない。どうも、おいらの知っている曲を弾かせようとしているらしかった。

ロ「この曲は知ってるか?」
お「う〜ん、知らない・・・」
ロ「この曲は?」
お「知らない・・・」

困り果てる弾き語りのおっちゃん。「知ってる」というまで、おわらなさそうなので、次の曲こそ「知ってる」と言おうと思っていたら、本当に知っている曲が流れた。「禁じられた遊び」。知らない人の方が少ないだろう(笑)

カウンターに戻り、ビールを一口呑み考える。

「うっかりしていたが、うちらの目的地は「パンクの店」であったはず。なのに、ここは明らかにパンクの店ではない。ってことは・・・・まだ先があるってことなのか・・・・」

ロ「いくぞ!」
お「ええええ!!ちょっとまってよ!ビール一口しか呑んでないじゃんか〜!!」
ロ「こっちだ・・・」
お「あほ〜!!なけなしの金で払ったのに〜〜!!」
ロ「この店は最悪だ」
お「なにがだ〜!!」

結局、注文したビールはほとんど呑めないまま、店をでることに。店から3分ほど歩き、格子扉の前に連れて行かれる。

ロ「ファック!ファックファックファック!!!!」

どうも、店は閉まっていたらしい。

お「今日は日曜日だからね〜」
ロ「日曜日か・・・・」
お「で、どうするのよ?」
ロ「こっちだ・・・」
お「そっちいくと何があるのよ?」
ロ「わからない」
お「わからないって・・・・」

どこに向かっているのかわからないまま、とりあえず歩くと、開けた広場にでた。広場の端っこまで移動すると、かなり向こうに綺麗な夜景の町並みが見えた。その夜景に感動しながらも、歩いて帰れる距離じゃないことを確信した。

お「で?夜景は綺麗だけど、何もないじゃん」

振り返ると、バス停のベンチで横になっているロベルトの姿が。

お「お〜い、お〜い!寝るなよ〜!ここはどこだよ!」
ロ「・・・」

起きる気配なし。

あたりを見回すと、すぐ目の前に大きな建物が見えた。形からして、なんかのスタジアムらしい。スパルタ(プラハのサッカーチーム)のサッカー場か?

街灯の下で地図を広げる。

「いったいここはどこなんだ・・・」

しかし、スタジアムらしきものは地図のどこにもなかった。

「ま、まさか地図外まできてしまったとは・・・どう帰ればいいんだ?」

車通りは見事になかった。ましてやタクシーなぞ望むべくもない。サッカースタジアムなんて、試合の日以外は閑散としているのは当然だ。しかも、日曜日の夜中の2時過ぎだ。ロベルトをたたき起こして、場所を聞くか・・・いや、待て・・・バス停があるということは地図が貼ってある可能性がある・・・まずはそれで確認しよう。

ロベルトの寝ているバス停に近づくと、案の定地図が貼ってあった。しかも、おいらの地図よりも郊外まででている地図だ。

「スタジアム・・・スタジアム・・・こ、これか?そうだ!スタジアムの前の広場がここだ・・・で、ここは学校だ!」

とりあえず、自分のいる場所はわかった。わかって愕然とした。どう考えても、おいらの宿まで歩いて2時間以上はかかる。タクシーはない。金もない。歩くしかない。

お「ロベルト!おいらは帰るからな〜!」
ロ「ポチケ〜イ!」
お「ポチケイ?」
お「帰るからな〜。そこで寝ていくんだな〜」
ロ「ポチケ〜イ!」

ポチケイ・・・そのシチュエーションから考えるとどうも「待ってくれ」という意味だと思われる。

お「ネ!ポチケイ!」(ネはNoの意。つまり「待たない」といいたい)

チェコ語でいったのがよかったのか、むっくりと起き上がるロベルト

ロ「タクシー〜!」
お「あほ!!タクシーなんぞおるか!車だって走ってないだろうが!」
ロ「あるけな〜い」
お「じゃ〜寝てろ〜!」
ロ「ポチケ〜イ!」
お「ネ!ポチケイ!」

ロベルトはうしろから千鳥足でフラフラとついてくるのだが、ふと振り向くと、芝生に倒れていたりする。

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だから、遅々として進まない。これじゃ〜3時間たっても4時間たっても家に到着しない。呑んでいて遅くなるのはいいが、この状態はとても不毛だ。

お「ロベルト〜!セントロ(中心街)いこうよ〜!」
ロ「セントロ〜!」

これまでの会話を見ていると、いかにもおいらが英語で話しているようだが、しつこいようだが、おいらは8割スペイン語で話している。ちゃんと伝えたいときだけ英単語を使っていた。ここでもCentroはスペイン語でいったのだが、なぜか通じた。

お「そう。セントロ。セントロにいって呑もう!」
ロ「タクシー!」
お「だから、タクシーは走ってないって!!もう、おいらは行くからね〜!じゃね〜!」

もう無視してさっさと帰ることに決めた。結構暖かい夜だったし、ロベルトは巨体だから風邪ひいて肺炎になることもないだろう。それよりもおいらはさっさと帰ってPivo(ビール)呑んで寝たかった。

ロベルトを200mほど引き離したところで、ふとひらめくことがあって、再びロベルトの場所に戻る。

お「ロベルト・・・あんさん、タクシーの電話番号もってないの?」
ロ「あっ・・・ちょっとまて・・・」
お「(お、もしや持ってるのか!?)」
ロ「あった!かける」

よしっ!これでとりあえずCentroまで戻れる!Centroまで戻ってしまえば、いつでも歩いて帰れる。それに、さっき呑み損ねたPivoが呑める!!

「10分後にここにくる」とロベルトはいったが、タクシーは5分と経たずにやってきた。

お「ロベルト・・・とりあえず、セントロにいこうよ。頼むよ。」
ロ「わかった」

調子よく発進したタクシーが暗い道をどんどん進むのに反比例して、おいらの心はどんどん明るくなっていった。助かった・・・。

ロ「ここだ・・・降りろ」
お「え?ここ?」

降り立った場所は、なんか見覚えのある場所だったが、明らかにセントロではなかった。あたりを見回すと、先ほど入ったカジノの店があった。

お「ロベルト〜〜!ここ、あんさんの家やん!」
ロ「こっちだ・・・」
お「どこいくんだよ〜」

まぁ、いい。完全にとはいえないが、とりあえず、丘は降りてきた。ここなら地図にもでているし、1時間分くらいの短縮にはなったはずだ。

黙ってロベルトについていくと、またもや鉄格子の扉がある店につれていかれた。ブザーを押すと、鍵があいた。中は普通のBarだった。ビリヤードやダーツが置かれている。カウンターには女性が二人。客はダーツをしている二人の若者以外は、完全に酔っぱらいのオヤジたちであった。

とりあえず、カウンターにつきワインを注文。チェコのワインだ。今度の店はロベルトも気に入ったのか、すでに何度かきたことのある店なのか、最後までいることができた。彼の好きな曲がいっぱい入っているジュークボックスがあったからかもしれない。

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おいらはワインを楽しみつつ、なんとも魅力的な二人の女性店員の仕事を観察していた。ブロンドの子の方はスロヴァキア人で英語を話す。赤髪のちょっとパンクな感じの子はチェコ人で、英語は話せなかった。

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ロベルトはジュークボックスに夢中になっていたため、つかの間の静けさを楽しむ。客は酔っぱらいばかりだったのと、日本人がきたのは初めてとのことで、しばらくその女性二人と会話することができた。おいらは、もってきた会話本を手に、ここぞとばかりにチェコ語の練習をさせてもらう。「おいらは日本人です」、「おいらの名前は・・・」、「おいらの出身は・・・」、「おいらは旅人です」、「年は・・・」、「○○と××を旅してきました」がちゃんと通じるか確認。そのあと、相手の名前や出身地などを聞く練習をする。

たまに、ロベルトが戻ってきてウォッカを注文。彼女たちの分もだ。結局この店でウオッカを6杯も呑むはめになった。おいらはワインがいいっていってるのに・・・。それにしても、さっきまでは「もう歩けない〜!」と今にも寝そうだったのに、いまはジュークボックスに曲をいれては、「この曲・・・かっこいいだろ!!!」と、一曲かかるたびにおいらに聞いてくるくらい元気になっていた。チェコ人にとって、ウオッカというのはドーピングみたいなもんなんだろうか?

閉店となる朝の6時くらいまでその店で過ごしたあと、来た道を引き返して、カジノのすぐよこにある、デリみたいな店にはいることになった。さすがに腹も減ってきたので、快く賛同する。

すでに完全に無一文なので、料理はロベルトに任せたら、こんな感じで盛りつけられた。早朝のピクルスはなかなか刺激的だった。スペインでもよくかじっていたが、小ぶりなタイプで、ここまで大きくなかった。

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鶏肉はケチャップがたっぷりで、早朝に食べる食事としては重かった。ポテトも長い間、油の海を潜っていたのか・・・こちらも重かった。そんなことはお構いなしにペロリとたいらげるロベルト。おいらはピクルスだけ全部食べて、残った少しの肉とポテトはロベルトにあげた。

今日は酒量としてはだいぶ呑んでいたはずだった。ウォッカだけでも最初の店から数えて15杯近く呑んでいたし、最後の店でワインをグラスで5杯は頼んだ。Pivoも500mlを6杯(うち1杯は一口だけ)呑んでいる。だのに・・・まったく酔っぱらっていなかった。呑んでは歩き、呑んでは歩き・・・を繰り返していたからだろうか?それとも、言葉の通じない土地だから緊張していたのだろうか?理由はわからないが、かなり頭はしっかりしていた。ただ、さすがに疲れてきてはいた。

食事を終えたころには、太陽はすでに昇っていて、通りには出勤する人たちがチラホラ出てき始めていた。さすがにもう帰るだろう・・・と思っていたが、なぜかなかなか帰ろうとはしないロベルト。

彼と一緒にいたのはその晩だけだったが、おそらくなのだが・・・ロベルトは友達が少ない・・・または、いないんじゃないか・・・って気がしてきた。「彼女は3人いる」といっていたが、3人もいて、なぜ日曜の夜においらと呑んでいるのか・・・。もし友達がいたとしても、酔っぱらった時のあの感じからすると、一緒に呑んでくれる仲間ではなさそう。あるいは、パンクの店には沢山いるのかもしれないが・・・。

勝手に不憫に思い、もう少しつきあうことにしたのだが・・・その甘さが間違いであった。

すぐそばに路面電車が走る人通りの多い通りで、しつこくチャンバラをせがまれる。もちろん竹刀なんぞないから、構える格好だけして、斬り合うのだ。おいらも当然しらないが、彼はおいらよりもさらに刀の怖さを知らないから、構えたとたんすぐに斬りつけてくる。さらには刀には「鍔」があるということもお構いなし。かなり楽しそうにチャンバラしているのだが、斬り合うたびにおいらの肋骨はくだけていった。「あ、今は自分が切られた・・・」ってことはわかるみたいで「今のはオレが死んだな・・・」と素直に認めるのだが、斬り合いは何度も何度も続いた。

周りの通勤客は「なんだこいつら・・・」と訝しげな目でうちらを見つめるが、途中からどうでもよくなってきていた。間違った使い方だが「旅の恥はかき捨て」っていうし・・・。

家まで送っていくよ・・・というロベルトの言葉を信じて、路面電車に無賃乗車してはなぜか途中で降ろされてを繰り返し、気がつくと最初の場所に戻ってきていたり・・・となかなか家に戻ることができなかった。気づくと時計は11時近くになっていた。

ロ「飯を食べよう!」
お「さっき食べたやん。腹減ってないよ」
ロ「どっかいこう」
お「寝ようよ・・・疲れたよ・・・」

おそらくこのままじゃ〜ダラダラとつきあい続けることになりそうだった。明日の夜は、昨夜約束した二人組と呑むことになっていたし、その前にまだ市内散策すべき場所も残っていた。いまから4時間寝るとして・・・もう時間がない。

お「じゃ〜おいらは帰るね〜もう寝るよ!」

そういうだけいって、ロベルトの返事は待たずに、やってきた路面電車に乗り込む。

ロ「ポチケ〜イ!」
お「ネ!!ポチケイ!じゃ〜ね〜」

それがロベルトとの最後の別れだった。

適当な路面電車に乗ってしまったので、まったく反対方向に向かってしまったおいら。すぐさま降りて、また違う路面電車に乗ったが、先ほどロベルトと別れた場所にまた来てしまう。ロベルトの姿はもうなかった。

疲れていて地図で確認するのも億劫だったので、その次にやってきた路面電車にのったが、それも違う方向へいってしまう。それを何度か繰り返しているうちに、無賃乗車でちょっとビクビクしていたのと、あきらかに「こりゃ時間の無駄だ・・・」と気づき、きちんと調べ、地下鉄の駅まで歩き、無事宿に到着。

冷蔵庫からキンキンに冷えたPivo出してきて、それを呑みつつ、その日を振り返る。

ロベルトとはいったい何だったんだろう?彼は何がしたかったんだろう?おいらとは表面的な部分では会話はできているが、細かいところはまったくといっていいほど意思の疎通ができていなかったはず。あれで楽しかったのだろうか?前半はともかく、後半はおいらも楽しかった。それに、少なくとも彼が日本人を捕まえてくれたおかげで、明日の誕生日は一人ではなくなったわけだから、感謝しないといけない。だけど、その代償が肋骨か・・・脇差しか・・・将軍か・・・次にあったときにおいらのこと覚えてるのだろうか?そういえば、最後までおいらの名前覚えてもらえなかったな・・・

まぁ、いいや・・・もう寝よ。



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普通の今日の日記

掃除をして一日過ごす。そろそろ今の生活にも飽きてきたので、本格的に動くことにしようと心に誓う。

映画を見る。ってことで、感想。


【Reservoir Dogs】(レザボア・ドッグス)

【点数】4.5点(5点満点)

【制作年】1991年 【制作国】アメリカ
【監督】クエンティン・タランティーノ 【公式サイト】なし
【キャスト】ハーヴェイ・カイテル、ティム・ロス、マイケル・マドセン、クリストファー・ペン、スティーヴ・ブシェーミ


【感想】
最初に書いておくと、おいらはゲイリー・オールドマンと同じくらい、スティーブ・ブシェミが好きだ。大好きだ。次生まれ変わるなら、あんな感じで生まれてもいいと思うくらい。かっこよすぎる・・・。あの存在感はなんなのだ・・・。

さて、レザボア・ドッグス。ご存じ、タランティーノの監督デビュー作。今回で見るのは3度目。高校生2年生の時、大学生の時、そして今回。二度目からだいぶ時間は経っているが、その面白さは全く色あせていなかった。すばらしすぎる。

あらすじは、とある犯罪グループが宝石強盗を計画する。そのメンバーはジョーと呼ばれるボスに当たる人物が集めた強盗のプロフェッショナルたち。彼らはお互いのことは知らないが、ジョーを信頼して、その宝石強盗に参加することになった。彼らにはそれぞれあだ名がつけられる。ホワイト(ハーヴェイ・カイテル)、ブロンド(マイケル・マドンセン)、ブルー(エディー・バンカー)、ブラウン(クエンティン・タランティーノ)、オレンジ(ティム・ロス)・・・そして、ピンク(スティーブ・ブシェミ)

計画は綿密に練られて、成功間違いなし・・・であったはずなのだが、失敗する。情報が漏れていたのだ。メンバーの中に裏切り者がいる・・・そいつは誰なんだ!

てな感じ。

スティーブ・ブシェミが「ピンク」ってところで、もうおいらは大喜び。それに関してのやりとりも劇中あるが・・・いや〜かっこいいわ。

ブシェミのほかにも、この映画のキャストはとても豪華だ。ブルー役のエディーバンカーは知らないのだが、残りはほかにも沢山出演作のある有名所だ。

タランティーノの映画は劇中のどうでもいい会話がとても凝っているので好きだ。サントラなんかでも、わざわざその会話を収録しているくらいだから、なんかしらのこだわりがあるんだろう。パルプ・フィクションもそうだし・・・。今回の映画だったら、冒頭のマドンナの「Like a Virgin」の話だけで10分は続く。

最初が面白くても、最後で失敗してがっかりさせられる映画はよくあるが、この映画は最後がとてもすばらしい。ただ、こういうのって男が興奮する世界なんだろうな〜と思う。仁侠とか仁義の世界だし。深作欣二を尊敬してるだけある。女性でもこの映画好きな人は沢山いそうだけど、「面白くない」という人も多そうだ。

あまり書くと面白さが半減してしまうので詳しくは書かないが、ストーリー、テンポ、ラスト、キャスト・・・すべてにおいて一押しの映画。見てない人は是非とも見て欲しい。

ちなみに、個人的には「パルプ・フィクション」よりもこの映画の方が好き。「フォールームス」はあまり人気がないみたいだけど、おいらは好きなんだけどな〜。サントラもすごいいいし。この映画みてから、フォールームスのティム・ロスをみたら、「え?」って思うかも。

等価交換の原則
2007年05月28日 (月)
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帰国してから1ヶ月も経つというのに、Vinoを呑んでいないことが判明したので、あわてて呑むことにした。

Vinoは先日セイレーンさんからいただいたやつ。ブルゴーニュのワインと書いてあるのだが、フランスワインには全く知識がないため、有名なのか無名なのかは不明。

一応書いておこう。

BOURGOGNE 2004
HAUTES COTES DE NUITS
Les Dames de Vergy
DOMAINE DOMINIQUE GUYON


なんて読むんだろう・・・ブルゴーニュ 2004・・・アウテス?いや、それはスペイン語読みだ・・・オーテ?コーテ デゥ ニュイ。「ニュイ」だけは自信あり。Vergyはベルギーのことなのか?ベルギーの貴婦人?Damesってダマのことだよな・・・。

まぁ、いい。

いただきものだからいうわけじゃないが、味わいぶかい。端的にいえば旨い。普段フランスワインにブーブーいってるが、チリワインだろうが、カリフォルニアワインだろうが、フランスワインだろうが、うまいものはうまいといえるくらいの度量はある。

確実に10eurosは超えていると思われる味だ。コルクの匂いがよかったし。味はどちらかというとあっさりしたVino。フランスワインの味だ。スペインVinoだと、「田舎くさい」というか「樽の味」がして、「今、おいら呑んでるのしっ!」と叫びたくなる濃さ。

やっぱVinoはうまいわ。金さえあれば、渋谷のスペインBarにいくのだが・・・最低1本2800円(たしか)はやはりぼりすぎだ。


生活が生活だけに書くことがない。映画でも見てれば別なのだが・・・。ということで、今回もその後思い出した「近況」を残しておく。

【欲望の赴くまま】
今、一番何がしたいか・・・と聞かれたら、「バスケ」と同じくらいかそれ以上に「奈良の興福寺に仏像を見に行」きたい。

先週末、ママンと会話しているときに「興福寺に行きたい!興福寺!仏像!阿修羅!天燈鬼!金剛力士!迦楼羅!畢婆迦羅!沙羯羅〜!十二神像〜〜〜!!」と叫んでいたら「あんた、興福寺行くスケジュールたてるなら、仕事見つけるスケジュールたてなさい・・・」と一蹴された。

しかし、行きたい。帰りに京都によって、東寺の帝釈天みてきちゃってもいいかも・・・。貧乏なので、車で寝てもいいから、見に行きたい。

先週末は留守番役を仰せつかったので結局強行することができなかったが、今週あたり車でぶい〜んと行ってしまうのも悪くない。あ、ダメだ・・・2日、おぐりの誕生日とかで焼き肉いくんだ・・・。じゃ〜平日・・・明後日くらいとか・・・。思い切って行ってしまうってもんか!

バスケはボールが無事みつかったため、準備万端だ。平日に中学生に隠れてこっそりやるわけにはいかないので、どうしても週末に限られてしまうが・・・。近くにバスケのゴールがある公園でもあればいいが、うちの近所にはない。わざわざ駒沢公園までいくのも面倒だし。ドイツにはバスケットゴールがある公園がいっぱいあったんだけどな〜うらやましい。


【キャラウェイシード】
ハンガリー料理の件でメールをいただいた。もし作ったのが「グヤーシュ」だったら「キャラウェイシード」が足りないんですよ〜〜!って。感謝感謝。

でも、おいらがイメージしていたのは「グヤーシュ」じゃなかったりする。あの写真をみたら汁っけが多いから「グヤーシュ」と思ってしまうのもいたしかたないが、違うのだ・・・違うのだ・・・でも、名前が・・・。旅中、料理の名前は必ずメモるようにしているのだが、メモ帳のどこに書いたかわからくなってしまったのだ。残り1週間弱のハンガリーでついにページがなくなってしまったため、小さい隙間に書いたりしていたのだが、それがどれだか・・・ショック。

まぁ、いい。

ハンガリー料理でおいらが唯一覚えているのが、この「グヤーシュ」という料理。料理といってもスープなのだが・・・。で、なぜ覚えているかというと、ハンガリーの超伝統料理だからということもあるが、ハンガリーにいったことがあるスペイン人・・・SantiとGuiomarの2人(二人は知り合いではない)が、かなり興奮した状態で、また恍惚とした表情で「グヤーシュ・・・これはマジうまい!たまらん!最高!あ〜〜〜また食べたい!」と褒め称えていたからだ。

で、実際Budapest(ブダペスト)に到着し、Guiomar(Budapestに1年留学していた。ピアニスト。)おすすめのレストランでこの「グヤーシュ」を注文。でてきたのは、なんの変哲もない野菜スープ。料金もスープだけあって安い。620フォリント。日本円で計算してなかったのでわからないが、ユーロだと2eurosちょっとくらい。円だと350円くらいか?

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で、そのスープを飲んでみて、ものすご〜〜〜〜〜〜く納得。こりゃ、SantiもGuiomarも興奮するわ。大好きだわ。

もし、日本人のおいらたちが、旅先で日本の「肉じゃが」ににた料理を食べたらどう思うか・・・答えはそこにあった。

このグヤーシュ(スペルはGulyás)・・・スペインにもほとんど同じ味のスープがあるといっていい。名前は?と聞かれると「Sopa」(スープ)としか応えられないのだが、どう味わってみてもスペインと同じ味なのだ。もっと細かくいうと、スープというかダシとしても使うので、場合によっては、スペイン料理的な味に近い。

日本ではあまりなじみのない香辛料かもしれないが、スペインもパプリカを結構大量につかう。ハンガリーと違って、スペイン人は辛いものが苦手なので、パプリカでも「Picante」(辛い)じゃなくって、「Durce」(甘い)と書かれているものを使うと、多少差はあるが、パプリカはパプリカだ。

どちらかが真似したとか、パクったとかいってるわけではない。「似ている」といいたいのだ。

似ているといえば、Budapest(ブダペスト)の町の雰囲気は、10年前のスペインのそれに似ている。むちゃくちゃ似ている。だから、本気で「住んでみたい!」と思ったくらいだ。そのことを、留学中のショキートとアキキート(両方ともピアニスト)にいったら「え〜〜〜!!」と驚かれたが、本当に似ているのだ。

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(普通の町並み。あまり良くとれていない・・・)

どう似てるって・・・薄汚れてるところがそっくりなのだ。同じことを、ショキートとアキキートから紹介されたスペイン人(男と女)にいったら、最初は「え〜〜〜!」といっていたが、「10年前のスペイン」と言い直したら、「あ〜〜似てるかも・・・」って納得してくれた。

Budapestは、おいらが留学するきっかけとなったスペインの、あのなんとも薄汚い雰囲気がまだまだ残っているのだ。心がときめかないわけがない。散歩中も、とにかくニヤニヤしっぱなしだった。

いかん、なんの話していたのか忘れた・・・。

あ、料理だ。

おいらが作りたかった料理はグヤーシュではなく、違うものなのだが、たぶんその「キャラウェイシード」は入っていることだろう。あのグヤーシュは料理全般にいえる味といってもいいくらい、ダシ的な味がしたし。

が、おいらは、そのキャラウェイシードというものを聞いたことがない。日本語でいうと何なんだろう?ほほう・・・いま調べたら「和名:姫茴香」(ヒメウイキョウ)だと。なるほどなるほど。茴香なのね・・・。

今度はそれをいれて試してみよう。


【等価交換の原則】
某錬金術アニメ曰く、何かを得るためには、中を失わないといけないらしい。でもって、それは「等価交換の原則」というらしい。

まぁ、錬金術に限らず、真理だわな・・・。

今回の旅は、たった2ヶ月とはいえ、これまでにないくらい「何かを得た」気がする。一人旅だったからだろう。もう一人旅は二度とごめんだが(しかたなく一人旅になることもあるだろうが)、今回のような人に説明できないような「悟り」的ななにかを得られるなら、終わった今となっては悪くない。いや、とてもいい。

日常生活は全く変わってないが、精神が・・・心持ちがいままでと全く違う。自分自身でもびっくりするくらい。見た目で「かわったね〜」といわれるような類のものではなく、自分自信が「あれ?なんか違う」と思う部分での話なので、日記にも残すことができないのがつらい。

ようは、一人であれこれ考えたってことだ。反省しまくったってことだ。

よく、学生時代とかの長期休みで「今日何曜日?」とか「今日って何日?」なんて質問をして「おまえな〜」みたいな話はよくあるが、おいらはここ最近、日記をかいてなかったのもあって、「月」、「年」まで思い出せない時があった。「平成○年」なんていう数え方は、とうの昔に「他人任せ」になっている。

この点は、おもいきり退化している。おそろしいくらい。

で、チェコのプラハでのエピソード。

おいらの長所の一つに「記憶力がいい」というのがある。結構細かいところまで覚えていたり、ほかの人なら忘れてしまっているようなその当時のシチュエーションを覚えていたりすることが多いのだが、これってようは他人が重要でなくっても、自分にとっては重要視しているから覚えてるってだけの話だ。細かいところまで覚えておきたいので、そのとき、そのときで一生懸命覚えてようとしているのだ。無意識化で。

だから、自分が「興味がない」、「つまらない」ってことは覚えてない。その点でいってしまえば、能力的な部分もあるとは思うが、「全然覚えてない」って人は、そのときのことに興味がなかったといえる。おいらはそう思う。

「10年前のことなんて覚えてないよ〜」とかいう逃げ台詞も、あまり年数は関係ないと思う。ただ単に、興味がなかったのだ。もし「10年」ということで逃げるならば、その人は子供時代のことを全く覚えてないということになってしまう。極論ではあるが。

「記憶力が悪い」からという理由で名前を忘れた・・・という人もいるが、これも興味がある人ならまず忘れないと思う。長いこと初恋の人の名前は忘れないないのも、その当時の興味(インパクト)がとても強いから忘れないのだろう。

まぁ、心理学者じゃないので、あまりはっきりしたことはいえないのだが・・・。

それをふまえて、プラハでの話。

書きたいことは少しなのだが、プラハでの思い出深い一夜についても書き残しておきたいので、全く関係ないが書いておく。

誕生日前日。プラハ。もう確実に明日は一人という状況であったが、その日は宿で真向かいの部屋に住んでいるチリ人のおじさんと仲良くなって、近くの呑み屋へ軽く呑みに行くことになった。当然会話はスペイン語。

このおじさん・・・なぜかおいらにスペイン語の文法を一から教えてくれようとするので最初は困ったが、普通に話せるようになってからは、逆においらにチェコ語を教えてくれといいだして、さらに困った。おいらがいえるのは「ビール一杯ください」だけだったから。

しばらくして、アメリカ人のカップル(男はチェコに留学中。女性は遊びに来た)と知り合い、4人でわんやわんやと賑やかに過ごす。アメリカ人のスペイン語はアメリカスペイン語だったので、南米のスペイン語混じりでちょっと大変だったのだが、久しぶりの他人との会話だったので、ビールもすすんだ。

・・・どうしよう・・・長くなりそうだから、端折る。

その呑み屋でチェコ人のロベルトと知り合う。スキンヘッドの大男で、自称スパルタ(チェコのサッカーチームらしい)のフーリガン。見た目は結構怖い。っていうか、むちゃくちゃ酔っぱらってて、顔を10CMくらいまで近づけて話すもんだから、ものすごいつばが飛んできた。脇差しが大好きで、「将軍」という単語も知っていた。歴史はおいらの得意ジャンルなので、スペイン語と英語混じりで、酔いに任せて日本の歴史を講釈。

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左:チリ人のルーベン 右:チェコ人のロベルト


えらく気に入られて、その日は朝の9時まで強制連行されたのだが、その店をでる前のこと。

ロ「あそこにいる女・・・あれ日本人だろ?」

まったく気づいていなかったのだが、確かにアジア人が2人奥の席に座っていた。どうみても日本人であった。ただ、シチュエーション的に、ココで声かけたら明らかにおいらは悪者になる。なぜなら、ロベルト・・・もうヘロヘロだから。あのキスされるんじゃないか?って距離と唾の量で、話しかけたところで、逃げられるのがオチである。英語もチェコ語も話せないので、説明するのも面倒くさい。ここは逃げた方がいい・・・ということで、話をそらす。

お「いや、違うんじゃないかな〜。中国人だよ〜!」
ロ「いや!日本人だ!話しかけてこいよ〜!」
お「え〜日本人じゃないって・・・」
ロ「おれ、ショウグン!!」
お「将軍だから、なんだよ!おれはいやだ!興味ない!」
ロ「ワキザシ!」
お「ワキザシ言ってもダメ!友達になりたいなら、おまえ自分でいけ!」
ロ「お、おれは・・・」
お(でかい体して・・・なにびびってるんだか・・・)

おいらがガンとして首を縦に振らなかったので、ロベルトもあきらめ、日本の歴史の話で盛り上がる。盛り上がるといっても、ほとんど通じてないといってもいい。なぜなら、彼の英語は微妙だし、おいらの英語も微妙。で、おいらもどうでもよくなってるので、9割スペイン語で話しているし。それでも、十分楽しかった。

チリ人とアメリカ人カップルも混ぜて話をするが、彼らはロベルトの勢いというか良い具合に引いていたため、ほとんどおいらが相手することになった。

しばらく談笑していると、ロベルトに耳元で囁かれる。

ロ「ワキザシ!」
お「え?なによ・・・将軍・・・」

振り向くと、先ほど奥に座っていた女の子2人が後ろにいた。どうも、会計をすませ帰るところだったらしい。面食らうおいら。

お「に、日本人の方ですよね?」
女「そうですよ〜」

ちょっと心ときめく。というのも、おいらはなぜ今日部屋で呑まず、外にでたかというと、明日に控えている誕生日を一人で過ごしたくないからだ。当然、チリ人の彼にも聞いたのだが、明日の早朝帰ってしまうということだった。

散策中、日本語が話せる・・・つまり日本人を見ては「声かけようか・・・」と思っていたのだが、なぜか男は「話しかけないで」オーラを出している・・・というか、なんか自分と違う方向へ方向転換するので、どうにもこうにも話しかけられなかった。そもそも、「明日誕生日だから・・・」っていうのも、「うちに切手のコレクションみにいかないか?」(どこの国とは言わないが、そういうナンパ方法もある)に近く、動くに動けなかった。

おいらの頭の中にあるのは、「なぜ楽しい旅先で、一人寂しい誕生日をすごさにゃ〜いけないのかっ!」ってことであった。予定では、オーストリアでWilli(もみあげがすごく、声が低い渋い若者)と過ごす予定だったが、予定のない旅であったため、プラハとなってしまったのだ。

そんな状況であったのだ。

将軍はウォッカがお好きなようで、気分がよくなると「ウハッ〜!」と大声をだして、ウォッカを頼む。2時間くらいの間に6杯は呑まされた。もちろん、ウォッカなので一気だ。おいらはまだいけたが、将軍は、呑むたびにヘロヘロになっていく。彼はウォッカと一緒に必ずコーラを頼むのだが、ちょっとだけ口をつけて、後は無視・・・ともったいないことをしており、目の前には中途半端に残ったコーラの瓶の残骸がいっぱいならんでいた。

ロ「日本人だろ?」
お「そうだったね〜。すまんね〜」
ロ「ワキザシ!」(意味もなくとりあえず言う)
お「ちょっとまってなさい」

日本人女性二人にむき直す。あちらはこっちに気づいていたらしい。日本人だとはおもっていたようだが、メンツ的に「日本人じゃない?」とも思っていたようだ。

お「将軍・・・あっ、彼ね・・・酔っぱらってるから帰った方がいいかと。唾すごいよ。唾。顔びしゃびしゃだよ。」
女「(笑)」

突然のことでおいらもしどろもどろではあったが、このチャンスを逃してはいけない。

お「え〜っと・・・明日暇?」

心の中で、そんなベタな・・・って思ったが、後ろで将軍が暴れてるので、さっさと交渉を終わらせたかった。

女「ツアーなんで、明日の8時以降だったら暇です。」
お「OK!どこの宿?」
女「プラハ城の裏です」
お「待ち合わせどこだったらわかる?」
女「ついたばかりだから・・・」
お「・・・おいらもだ・・・じゃ〜ここに9時ってのはどう?」
女「OKです!」

交渉成立

ロ「ワキザシ!」
お「あ〜彼女たち、帰るって・・・」
ロ「おまえは?」
お「おいら?おいらは残るよ。だって、パンクcafeいくんでしょ?」

彼にはえらい気に入られたため、彼お気に入りのパンクcafe(全部おごりとのこと)で連行されることが決まっていた。

その日は、彼のおごりで、あっちこっち連れて行ってもらい、帰ってきたのは朝12時過ぎ。全く知らない場所、しかも、結構遠い場所に連れて行かれたので、帰りは無賃乗車で、反対方向にいったりしながらも、宿に到着した。

彼には情報をつたえすぎたため、早朝・・・チェコ人の通勤時間に、彼と一緒に文字通り徒手空拳のチャンバラをやる羽目になる。当然、通勤途中のチェコ人には「なんだこいつら!危ないやつら・・・」って目でみられた。竹刀を持っていない剣道を大の男が本気で街角でやってるのだから、そりゃ怪しいわ。

また、調子に乗ったかれは、「オレ、ショウグン!オマエ、シンカ!」と処かまわず、臣下の礼をとらされる羽目になった。なぜか、アーサー王と円卓の騎士みたいに、膝をついた臣下の礼。「将軍」とおだてすぎた。

彼のおかげで、一ヶ月以上たった今でも肋骨のあたりが痛い。旅中、くしゃみや咳しただけでも、体に激痛が走るようになってしまった。たぶん、肋骨・・・なんかしらの形でイッたと思われる。刀はもっていなくても、切られた時の拳が肋骨に何度もあたるのよ・・・。彼・・・刀がダメとなると、得意のワキザシで、心臓あたり「ずどっ!」ってやってくるし・・・。


しかし、彼のおかげで、プラハの地元の人がいくようなBarに沢山つれていってもらった。おいしくはなかったが、安い総菜を扱う店とかで夜食もごちそうになったので、これくらいの痛みは・・・って思ったんだけど・・・割に合わない痛さだ。


・・・疲れたので残りは、今日書きたかった件については明日書く



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